現代では嵩山少林寺から直接任命し、派遣された武僧(お坊さん)が、世界各地に行って、各国にある中国文化センターや類似した組織などで、伝統な流れの伝導を行い、また交流を図っています。主に課題として挙がるのが、“禅”と“武”についてであります。
少林寺内では、禅について、弟子に教える場合、1~2名が指導にあたります。
既に私自身、日本で指導にあたっていますが、特別の禅法『「少林寺気功」の静功法』を中心として、会員の皆さんに指導しております。
多くの嵩山少林寺からの派遣された武僧たちは、私と同じように禅法を教えることが出来ません(世界で唯一私だけが認められています)から、あくまでも(基本的な)伝統的方法により、自分の心の不浄さを綺麗にしていくという修業をしていき、心を変えていくというやり方が多いのです。
私の場合、少林寺での修業は長いですから、より深い伝統的なものを伝えますと、多くの人が驚きます。比べて各国に派遣されている方たちは、主に武術を中心に学んでおり、実は「禅」について、弱いところがあります。嵩山少林寺で「禅」を理解しているお坊さんは、昔の伝統的な流れをきちんと伝えます。(このことは、日本のお寺のお坊さんと同様です。)
それは現代人に対して、精神論や道徳論のことを教えなくても、修業ができてしまいます。一人ひとりに合うかどうかという点は、非常に重要なことなのです。

さて、当協会の会員の皆さんは、93種類の静功法(または93禅法)を習っているわけですが、世界中の多くの人がこの93禅法を知りたいと思っているのです。
この素晴らしい貴重なものですから、是非、しっかり覚えて自分のモノにしてください。これが本当の「心の修業」です。

もう一つは「健康」という面から、少林寺気功の心身の錬磨によって、自己改造のできる力を学び、指導したいと多くの指導者が望んでいるのです。通常、少林寺のことを“知っている”とか、“できる”というのは、ほとんどが武術の実技であったり、硬気功です。
嵩山少林寺の真髄である「少林寺気功」の静功法をしますとびっくりされるほどのことなのです。なお、世界各地に派遣されている少林寺のお坊さんは、武術の修業を10数年してきて認められた若い人が多いのです。昨年の世界大会で来日しました延然さん(30代前半)が、交流を深めて頂きました。

当協会の皆さんも、指導員としてどんどん活躍することになりますが、(初めはどのようにすればよいのか分からなくても)将来、たくさんの人たちに広めていく立場になりますと、(まだ世界中にいる少林寺の伝道師も、きちんと伝えられない中、)まるで中国のパンダのように珍しく、また中国国宝のように大事にされることでしょう。