皆さん、ゴールデンウィークは如何お過ごしですか?協会は指導員養成コースの授業や武術教室と休みなくスケジュールが予定されており、この休みの間も会員の方と楽しく「少林寺気功」や武術を練習しております。
多くの皆さんは、天気も良いので外出をしたり、どこかへ旅行をしているのでは?と思いますが、私たちの練習は心の修業中であり、いわゆる「内面の旅」をしています。
 さて、皆さんは、「マズローの法則」(アメリカの心理学者「アブラハム・マズロー」が、人間の欲求を5段階の階層で理論化したもの)はご存知ですか?「自己実現理論」の説明をする場合、よく人間の基本的欲求は「5段階のピラミッド」のようになっている話です。5段階の一番下が「生理的欲求」であり、食べたい、寝たい、排泄したいなど人間が生きている上で最低限の欲求ですね。そして次の段階で「安全の欲求」、続いて「社会的欲求」、さらに「承認(尊重)の欲求」となり、最後は「自己実現の欲求」となるわけですが、これらは「自己実現」の成長のために欲求の階層を示したものであります。
この説明のとおり、下の階層ほど本能的であり、動物的でありますが、人間の欲求は大きくなるに従って、自分の思いを実現させたいというレベルまでになっていくことを説明しています。
 しかし、これは「心理学」の中において、心のレベルを5段階と分けたものでありますが、実際にはもっと細かく意識の階層があり、「禅」の世界では、もっと深いところの部分まであるのです。私たちの協会では、その深い部分まで掘り下げて、「少林寺気功」により、訓練をしているのです。
 心というのは、様々な欲求が生まれ、自分自身を動かしています。だんだん「欲」が大きくなりますと、しまいには自分自身を縛り、身動きができなくなってしまうこともあります。私たちの身の回りにはたくさんのモノで溢れかえっていますが、それらのものをたくさん所有したところで、満たされるわけではなく、さらにさらに・・・となります。決して自由自在とならず、欲望に縛られてしまいます。そんな人と、もしお金もモノも何も所有していない浮浪者と比べたら、実は何も縛られず、本当の自由になれているのは浮浪者のほうかもしれません。
 ですから、自分の心はまるで一国の王様か将軍のようにしていなければなりません。ご存知のようら、王様も将軍も自ら忙しく動いているわけではありません。家来や兵士に指示をするだけで、実際には動きませんよね。心も「不動心」、または「平常心」となるようにしなければなりません。そのためには、「禅」の修業により、自分(心)を落ち着かせることが大事です。そうです。私たちが行っている「少林寺気功」の練習を、しっかり実践していけば良いのです。
どうぞ「イメージ」と「呼吸」、そして「動作」を意識して練習し、自分を整えていきましょう。そして何事も落ち着いて、対応ができるようにいたしましょう。