嵩山少林寺主催「少林功夫」の動画等投稿によるレベル評価・試合大会が終わり、参加者の成績が発表され、賞状が授与されました。本協会からもたくさんの方々がエントリーしましたが、成績に関係なく、とても良く頑張ったと思います。私はすごく満足しています。今後順次、参加しました皆さんには賞状を授与してまいります。総括の嵩山少林寺も世界中の取りまとめから結果の通知まで大変な作業でしたが、本協会も会員の方にもご協力いただき、円滑に進められ、問題なく終了いたしました。当協会から、また世界各国の団体から大勢の人が参加し、盛り上がり、今大会は大成功に終わりました。

現在は、新型コロナウイルスが原因、また大震災以来、日本の中で少林寺武術の人口が減少しつつあります。しかし欧米では大人数(一つの団体で、大抵100人以上、多いところは200人くらいの人が参加しています。)でエントリーしました。またそれらの団体からは、子どもや10~20代の若い人たちがメインで出場しています。この各国の団体の成り立ちとしては、これまで少林寺の武僧団の前で演武を披露したり。何かの縁でつながっている人たちのところに、少林寺から教師(お坊さん)を派遣されて少林武術の指導を受けています。さらに武術ができる広い体育館や大きな会場などを利用して練習ができています。かれらはほとんど少林武術の指導を受け、練習した人が参加していますが、この大会への動画投稿も、ご自分が普段している会場で少林武術を披露しています。しかし、本協会の場合、最近はコロナ禍でもあり、武術教室に参加する人は少なく、コロナの原因で会場が利用できなくて協会本部で行ないました。その上、この2年間、昇級(段)の基本技の部分の練習が多かった理由から、少林武術の型の練習があまりしていませんでした。こうした状況の中にも係わらず、しっかり練習して挑みました。参加された方は、とても良く頑張りました。

今後、こうした大会を踏まえて、本協会としても指導のあり方も身体のリラックスのため、また楽しく行なうという部分と試合や大会のため・・では違いますので、バランスよく指導してまいります。例を挙げれば、格闘技と伝統的な武術の指導は違います。ボクシングの試合前であれば、トレーニング方法や減量で身体を調整したりして身体の素質を変えて生きます。しかし試合ばかり続けば、身体はボロボロになります。これはスポーツ選手も同じです。試合や大会などで賞を獲るために、そのための練習になりますから、引退時には身体はボロボロになります。中国でも女子バレーが一番強かった時代(今の年齢は私と同じくらい)のほぼ全員は身体はボロボロでした。試合のための訓練は、人の健康な人生という観点からみたら、良いとは言えません。ですから普段の場合、私たちは楽しく行なうことが第一でしています。自分の身体がまず元気になるようにしていきます。そのため試合の練習ではないので、試合の時は試合の練習にしていかなければならないのです。状況に応じてバランスを考慮して練習をしていくことが望ましいのです。

 少林武術は少林寺の特徴でありますが、どの範囲で行なうかというのが重要です。もし“気”の上に武術を行なうことが良いのです。当協会が気功中心であることが、その理由でもあります。もし気功の試合だとしたら、協会会員は全員が金メダルでしょう。ただ今回の場合は少林武術のため、力を入れていないのです。「技」をエントリーした多くは少林寺気功の技です。結果、皆さんとても評価が良かったです。決して良い結果が出たからといって、自慢するのではなく、さらに努力いたしましょう。これまでの頑張りが認められたわけです。あまり評価が良くなかったとしても、先に述べたような普段の練習方法が異なるという点から出ているということもあります。ですから、条件が違うのですから、そんな中で皆さんはよく頑張りました。実力はあると思います。今後は試合がある場合は、それに合わせた練習もして磨いていきましょう。