皆さんはこのタイトルをご覧になった時、同じ言葉でなくても、似たような表現で聞いたことがあると思います。また精神世界(心の在り方として)においても、重要なこととして扱われています。ただ、これからお話するのは、これらのことと少し違います。何か実践する場合、イメージすることはとても重要ですが、例えば、サウナに入ることが好きな人は、その湿度や温度に耐えることができますが、それが真夏であった場合には熱射病にかかってしまうほどの環境条件であり、本当は厳しいはずです。しかし、なぜ人はサウナより低い温度湿度の下で(熱射病などで)倒れてしまうようなことになるのでしょう。さらに、わざわざお金を払ってまで、サウナに入るのでしょうか?

これは認識と思考によるものです。サウナに入るというのは、入っている時に汗も大量に出して新陳代謝が促進されて気分をスッキリします。また痩せることができる、さらに健康になれるなどという認識を持っています。そのため、実際には熱くても我慢でき、忍耐しながらサウナ室に入っていることができるのです。というよりは楽しんで入っているのです。それが真夏の猛暑のような天気の下ではどうでしょう。サウナは楽しいと感じますが、そのような気温や湿度のところでは(本当は同じ効果がでるはずです。)実際にはその暑さは感じたくない、嫌だと思考してしまうのです。そして涼しいところにいきたいと誰でも思います。決して、汗をかいて気持ちいいとか、新陳代謝が良くなっている、美容に良い、また健康的だとか、ダイエットにいいなどと思わないでしょう。サウナが好きな人であっても我慢できず、そんな状況にいたら倒れてしまうのではないかという不安に掻き立てられてしまうのです。実際にそのように思ってしまったら、体のどんどん調子は悪くなります。このように心理的なことに体というのは大きく左右されてしまうのです。

これからはだんだん寒くなっていきます。私たちは気温が下がり、寒くなってくると体が病気になってしまうと思い込みます。ですから少しでも寒くなると非常に体にとってマイナスに感じ、実際に悪くさせてしまいます。これまで述べてきたように(サウナの例の発想と同様に・・)自分の思考を変えなければなりません。冷えて風邪を引いてしまうと思うのではなく、逆に冷やしても体の病気を無くすとか、体温のコントロールをして鍛えるという発想を持つとか、冷やして頭をスッキリさせるなど発想を変えることができれば、寒くなっても自分は気持ちいいと思考し、プラスに変化させることができるのです。

私自身、昨年までの3年間、冬はたった2枚だけのシャツで過ごしました。雪も降り、一番寒い時にも同じです。もっと若い頃(10代の頃)は寒さを全く感じませんでした。今は60代になりましたが、体温の調節というのは、特に寒さに対応する機能状態は、本来若い時より低下しているはずです。しかし少林寺気功の練習をして鍛えていますから、普通の若者以上に耐えることができます。環境の変化に対し、自分の精神の持ち方、そして行動により、変えることができるのです。それは寒さ暑さだけにとどまりません。もちろん人間にとって過ごしやすい環境が一番ですが、人生において、すべて自分の思い通りになるかというと実はそうではありません。むしろ厳しい環境を乗り越える力をつける、また耐えられるようにすれば、楽に生きることができます。逆境の中でも辛い想いをせずに、耐えられるでしょう。そうなれば、もっと人生を高めて豊かにする(五味を味わう)ことができると思います。他人の辛さも理解でき、人生をより良いものにできることでしょう。人生も料理と同じく味があります。甘い、酸っぱい、苦い、しょっぱい、辛いなどがあるのです。それらに耐えられて、初めて様々な味を味わうことができておいしく感じるのです。料理長が甘いだけの味を知っているだけでは宴会のコース料理を作り、出すことが出来ないでしょう。五味を知らずに表現することはできません。ある料理に苦さが加わったら深いものになるということも知らなければならないでしょう。

人生も深くしていくためには、五味を理解するようにして歩まなければならないのです。