【第六章 気功の消化器系統に対する効果】2003年10月06日(月)
第三節 気功の辟谷に対する生理基礎(1)

 気功における辟谷(へきこく)とは、気功修行中一定の期間に穀物食を少食あるいは絶食すること、或いは少量の薬のみを服用することによって、養生や病気予防目的をして行う独特な方法を指している。人は辟谷を行う過程において飢餓を感じず、体力や精力・知力も落ちず、また身体が軽く感じられる上に、気功はもちろんのこと労働に従事することも可能である。

 辟谷は中国における古代の養生家は自分自身の修練及び実践にもとづいて一種独特な養生法を生み出した。文献によれば、200年余りの歴史を有している。1973年湖南省長沙(ちょうさ)の馬王堆(まおうたい)三号漢墓から出土された絹地に書かれた書簡には、「却谷食気編」という文章があり、辟谷について詳しく述べられている。

 辟谷は気功に対する修行のレベルが異なると、断食する段階?も違ってくる。辟谷は一般的に三段階に分けられ、1.断谷(=五穀は食べないが、果物や落花生、飲料水、薬などは摂取してよい)2.断食(=水を飲むだけで、一切の食物を摂取しない)3.断水(=一切のものを食べず、飲まない)

 ある報告および文献の記載のよれば、訓練方法が適切な者は、辟谷期間は何十日あるいは、それ以上に達する。一般的に辟谷を行う期間は、短期辟谷(3日ほど)、中期辟谷(7~12日)、長期辟谷(12日以上)に分けられる。