【第六章 気功の消化器系統に対する効果】

第三節 気功の辟谷に対する生理基礎(2)

辟谷の過程はだいたい三段階に分けられる。

 1.予備段階:飲食習慣が変わる。普段好んでいる食物が食べたくなくなったり、或いは食事の量が極端に少なくなったり、食前にげっぷが出たりする。また時により、喉頭部に「吐き出せもせず、飲み込むこともできない」という、喉につかえるような感じが出る。食後に腹部が張る。腸内の機能が活性化し、腹部が絶えず鳴ったり、絶えずガスが出たりする。

 2.断食段階:飢餓感がなく、飲食したくなくなくなる。果物を食べるだけ、お湯を飲むだけで、身軽で元気になる。なおかつ、通常と同じ体力労働と頭脳労働に従事できる。人によっては、一日中気功を行っている状態になり、気に対する感覚が非常に強くなるものもいる。

 3.終了段階:飢餓感が次第に回復してきて、時には急に猛烈な飢餓感を覚えて物を食べたくなる。この時、舌の感覚ははっきりしており、呼吸をしても口臭や変わった味覚もなく、爽やかですがすがしい気持ちになるが、このような状態によって、辟谷を終了すべき時が来たことがわかる。