禅とは、どんな状態のことをいうのでしょう。
簡単に説明すると、世の中で直感的にものを見る智慧をもらったということです。
あるいは万物の本来のもともとの様子が見えたり解ったりする智慧のことです。
もうひとつは、自分の心は一定の境界の状態になるということがあります。

これは知識として解るということではなく、たった今その瞬間に本当に自分自身から見えたことです。
お経の暗示や聖者の認めた宝廠など、
自分の信念や理解あるいは自分の方針ではないところから解ったという意味です。
自分ではっきりと感じられていることです。
万物の本来のことが解り自分の心が解ったら不動心になります。

世の中にはいろいろなものがありますが、実際には目に見えているものの本来の姿は見えていません。
見えているものは、物の本質ではなくて自分の意識から理解した感覚です。
人間が見ているものは概念の中にとらわれています。
例えば机があるとして机だと思うのは、人間が使う道具として木材から作られたものという
認識からその言葉が浮かびそういうふうに見えます。
だから人間が見ているものに対しては、自分の意識あるいは潜意識から出ている
その映像や概念から理解しています。

この映像はどういうものですか。
今までの自分の観念、考え方、自分の理解の形、将来の理想や願望、
あるいは心理的なことから物質的なこと、生活するうえの精神と意識面からきます。

もし、こういうものを乗り越えて本来のものが見えて解ったら、
そうすると悟りや禅ということです。修行して禅になります。