他人に対して失礼な態度で振舞う事は本当の勇気を持っているとは言いません。なぜならば本来これらは抑える必要があるものだからです。しかし抑える事が出来たならば、道義に合う正気はあなたの中で育つでしょう。
また感情は欲望のねじれた心から生まれます。だからこの心を消したらあなた本来の心がでてきます。
自分は高くだけを見て他人を無視するなどは所詮は一時の正しい気の結果であり、本来世の中には正しい気、つまり正気があります。正気とは本当の勇気、天地の間にある気で、この気が人体に入ると生命力溢れ出てきます。
孟子は宇宙間で起きる現象の全ての活動は気によって起こり、それらの気が道義に合うと堂々正々の力になります。
正気は天地に充満していて、強く壊れないものです。そしてこの気の中に道義が存在しています。ただもし義理を欠くと存在の条件を失います。だから正気は一つの生命力であり、本当の勇気であるといえます。これを孟子は浩然の気と言いました。そしてその正気を育てる事が禅の入り口と言えるでしょう。