スポーツクラブやカルチャーセンターなどで教える少林寺武術気功「少林武術」及び「カンフーフィットネス」講師の素質と条件についてお話いたします。この秋から十字屋カルチャーにおいて、当協会会員の多くの講師派遣が決まりました。関東都市圏の各店舗に派遣し、講師として活躍いたします。たくさんの依頼場所がありましたが、当協会会員の皆さんがほぼ講座枠を埋めました。派遣先は決まりましたが、各々が開催に向けて頑張るのはこれからです。実際に集まった参加した方々が満足できるかどうかはとても重要です。

第一は、魂をこめて指導にあたれるかが大事です。それぞれの箇所で各講座において、集まった方のニーズに応えられるか、満足できるかにかかっているからです。今は夏場でとても暑いですが、開催は秋となれば、陽気も変わります。どんどん季節が変わる中、四季おりおりの中で進めていくわけであります。大雨という異常気象の中かもしれないし、冬は雪が降っているかもしれません。もしかしたら、何か個人的に問題を抱えているかもしれません。それでも、どんな状況でも教えることができるか・・これが教える魂です。

私は来日して30年近くになりますが、様々な状況を体験しました。あるカルチャーセンターで指導にあたっている時も厳しい状況の中、指導することもありました。毎回修業だと、講師にあたる方には特に意識して指導してほしいと思います。ただ普段の気持ちで臨んだり、お金のためと考えたり、名誉のことばかり思っていてはいけません。参加していただいた皆さんに喜んでいただけるよう、指導にあたることが大事なのです。

第二は、講師の方が何を教えるのか、しっかり覚えて理解するということです。ただ技術だけではいけません。内容は動功が多いですが、まず動きをしっかり覚えること。覚えておらず中途半端な指導になってはいけません。派遣先において、発表会とかイベントが合同であるかもしれません。演武を披露することになった時、同じことを習っていたにも係わらず、違う動きをしたりしたら、参加者に不信感を与えます。また動作やポーズに対しての説明もきちんとできるようにしなければなりません。その一つ一つの意味について理解をすること、理論も学んでおくことが重要になります。そうした理由から当協会は指導員を養成するにあたって、動功だけ教えるのではなく、理論も2年半かけて指導しているのです。これは自分のためだけでなく、教わる人たちのためにもあるからなのです。また教える魂という人間を育てるのは、4年間かけて静功を学んだ賜物であるのです。

今回の講座の内容は、気功師養成コースや少林寺武術教室で習得する内容です。どちらもしっかり覚えてさらに理解することが必要です。動功も覚えるというのは、ポーズの流れだけではいけません。その動きが実際に武術らしい動きになっており、演武することが求められます。

講師になる方の中には、少林寺武術教室の会員でない人もいます。気功師養成コースだけ経験とか、年齢も中高年、また元々運動をそんなにしていないため体力が強くないという方もいます。心配している人もいるでしよう。ですから今からしっかり指導ができるよう訓練していかなければならないのです。今回の教える武術の内容は、少林武術の基礎的な動き(型)であり、とても簡単なものです。入門クラスの内容ですから、(*本協会の武術教室で行なっている入門の動きよりも、ずっと簡単です)体力も必要ないし、身体能力が高くないとできないものではありません。たとえば、立っている状態からパンチをしていくという老若男女が楽しんでできるようなものです。あまりにも易しいので、古くからしている人からみたら、ありえないほどかもしれません。これは少林寺の級位資格のレベルに合わせたものですから、少しずつレベルが上がっていきます。ですから講師の人も少林寺武術教室で磨きをかける必要もあります。

多くの参加者が全日本少林寺気功協会の講師が指導してくれるという楽しみでいるわけですから、安易に練習しなくても大丈夫だと思っていたら、良い結果にならないと思います。どうぞ集中講座には毎回参加したり、日々練習することが重要です。特に武術の経験がない人は、毎日トレーニングのつもりで練習に励まなければなりません。武術は武術らしく動きが必要です。教える立場の人が体力がなかったり、贅肉だかりではいけないでしょう。生徒は見た目も重視しています。特に派遣されて講師の方々に向けてのことが多くなりましたが、それ以外の方であっても、自分自身に要求し、強めていけば変わり、良い結果を生むことでしょう。