29.観音菩薩伝説のいろいろ(3)
楚の荘王は出来あがった「千手千眼観音」の像を見て、仏師を責めて罰しなかったばかりか、褒め称えて褒賞をあげました。そこで、観音様は「千手千眼」になってしまったわけなのです。これは日本で言う「千手観音」で、京都の三十三間堂という寺にあるものが、日本では有名です。千手観音が出来た後、寺の中には様々なスタイルの観音様が現れるようになりました。よく見られるのは、「三面六臂(さんめんろっぴ)」、八臂(注意:臂=うで)、十八臂、三十六臂、四十二臂、四十八臂など、色々あります。
中国では色々な仏教の流派がありますが、流派によって様々なスタイルの観音様がいらっしゃいます。
例えば、密教には「六観音」がいらっしゃいます。それは、第一に千手観音で、中国の開封(かいふう)にある相国寺の「千手千眼観音」は非常に有名です。二番目は、聖観音(しょうかんのん)といい、いわゆる通常の観音様のことを指しています。三番目は馬頭観音(ばとうかんのん)で、六つの頭に三つの顔を持っており、憤怒の形相をしていて、口からは牙が出ており、頭の上には白馬をいだいており、全身は真っ赤です。四番目は十一面観音で、前の三面は慈悲の表情を、左三面は憤怒の形相を、右三面は白い歯を剥き出しにしているので凶悪な印象を与えています。そして、後ろの一面は笑顔で上の一面は仏様の顔を表しています。五番目は、准胝観音で、三つの目と十八本の腕を持っています。六番目は如意輪観音(にょいりんかんのん)といい、六本の腕があり、如意宝珠(にょいほうじゅ)と法輪(ほうりん)の力によって、六道衆生の苦しみを除き利益を与えるとされています。
天台宗にも六観音がありますが、大悲観音、大慈観音、獅子無為観音、大光普照観音、天人丈夫観音、大梵深遠観音とされており、実際には同じ意味です。
また、密教では二十四観音もあります。すなわち上記の十五観音に以下の九尊の観音様を加えたものです。
第一は「不空けん索観音(ふくうけんさくかんのん)」で、“けん索”とは魚釣りに使う縄の事なのですが、観音様はこの“けん策”を手にしておられ、人を仏道へと入らせます。
第二は「白衣観音(びゃくえかんのん) 」で、白い衣をまとい、白い蓮の花の中に座って、手にも蓮の花を持ち、清純な心を持つ事を表しています。
第三は、「葉衣観音(ようえかんのん) 」で、葉衣はパラーシャ樹の葉をまとうシャバラ族の女性という意味で、この世における一番堪え難い事も我慢できるということを象徴しています。
第四は、「水月観音 (すいげつかんのん) 」で、天の月と水面に写った月との対比から、“色即是空、空即是色”の考えをあらわしています。
第五は「楊柳観音 (ようりゅうかんのん) 」で、左手に甘露が入った瓶を持ち、外にこぼしています。そのため「滴水観音」とも言われています。また右手には柳の枝を持っており、柳の枝で人々を助けると言う意味があります。
第六は「無畏観音(むいかんのん)」で、「阿麼堤観音(あまだいかんのん) ※堤はフォントにないのでこの字を当てましたが、齒と來を並べた字です。」何も恐れないという意味です。第七は、「多羅観音(たらかんのん)」で、中年の女性の姿形をとっています。そのため、全ての母というか、慈母のイメージです。
第八は「青頸観音(しょうきょうかんのん)」で 断崖の上に座り、左手は岩に手を置き、右手は膝に手を置いた姿を取っており、なにものをもおそれないことを意味しています。
第九は「香王観音(こうおうかんのん)」で、白く端正な顔をしています。
三十三観音
第一は「不空けん索観音(ふくうけんさくかんのん)」
第二は「白衣観音(びゃくえかんのん)」
第三は、「葉衣観音(ようえかんのん)」
第四は、「水月観音(すいげつかんのん)」
第五は「楊柳観音(ようりゅうかんのん)」
第六は「無畏観音(むいかんのん)」で、「阿麼堤観音(あまだいかんのん) ※堤はフォントにないのでこの字を当てましたが、齒と來を並べた字です。」
第七は、「多羅観音(たらかんのん)」
第八は「青頸観音(しょうきょうかんのん)」
第九は「香王観音(こうおうかんのん)」で、白く端正な顔をしています。
持経観音(じきょうかんのん) 岩に坐り手に経巻を持つ。仏の教えの声を聞いて修行する人を表した観音さま。
龍頭観音(りゅうずかんのん) 雲の中に居る龍に乗る。やさしい雰囲気のものと、憤怒の相をした密教的雰囲気のものがある。
遊戯観音(ゆげかんのん) ゆうげ、ゆうぎ、とも読まれる。信ずることにより高いところから落ちても助かるという話から、ゆったりと雲の上に坐っている。
円光観音 (えんこうかんのん) 円光とは頭の後ろから丸く輝く光明をいいます。頭光、頂光、後光、常光などともいわれます。光の中に現れる観音様。
蓮臥観音(れんがかんのん) 蓮華に坐り完全に横を向いている姿が特徴。清浄な池の蓮華の上に坐臥することから付けられた名前。
施薬観音(せやくかんのん)観音様は、病人に薬を施すがごとく苦を救うことから、この名がついた。蓮は苦悩と悟りとの縁を象徴。
瀧見観音(たきみかんのん) 断崖に坐り瀧を見る。悪意に満ちた火焔が瀧の飛瀑の力によって鎮火し清められることを表している。
徳王観音(とくおうかんのん)岩に坐り柳の枝を持つ。常・楽・我・淨の四徳を備え優れているので徳王と名づけられた。
魚濫観音(ぎょらんかんのん)魚に乗か手に魚を持つ。起源は中国。魚売りの美女が観音様であったという説話がある。
一葉観音(いちようかんのん)水上の蓮華に坐る姿は、船に乗っているように見える。水難から救って下さることを表している。
威徳観音(いとくかんのん)救う相手にふさわしい姿に変身し、威厳と心服させる徳=威徳にちなんで付けられた名前
衆宝観音(しゅうほうかんのん)羅刹の難を救う観音様。一人でも祈れば他の人も救われるという考え。衆宝は宝がたくさんあると言う意味。
延命観音(えんめいかんのん)呪いや毒から逃れられる功徳があるといわれる。人々を救う20の方法を象徴した20の手を持つ姿もある。
能静観音(のうじょうかんのん)海辺の岩にもたれ掛かり坐る。救いの法則が衆宝観音と似ている。遭難者を能く安静するから能静観音。
岩戸観音(いわとかんのん)毒蛇の住む岩戸に坐る。日本で創案されたと言われる。毒蛇の悪気も観音様の力で消滅することを表す。
阿麼堤観音(あまだいかんのん)阿麼堤は音写といわれるが原語が不明。※堤はフォントにないのでこの字を当てましたが、齒と來を並べた字です。
阿耨観音(あのくかんのん) 阿耨はサンスクリット語の阿耨達池の略。清涼の池という意味。ヒマラヤ山中にある想像上の澄んだ池。
瑠璃観音(るりかんのん)瑠璃壺(香炉)を持ち蓮華に乗る。高王観音とも呼ばれる。水難、厄除けの観音さま。
葉衣観音(ようえかんのん)葉衣はパラーシャ樹の葉をまとうシャバラ族の女性という意味。信者の住居から悪魔を祓い守護する。
蛤蜊観音(こうりかんのん) 俗にハマグリ観音という。食べようとしたハマグリが開かないので、香を焚いて祈ると観音様になったという。
多羅尊観音(たらそんかんのん)原型の起源は古く、広範囲の神々と結び着いている。多羅は眼・光輝という意味と救済者の意味を持つ。
普悲観音(ふひかんのん)観音様の平等普遍の大慈悲心を特に強調した名前。密教的な置き換えをすれば大日如来的な存在。
六時観音(ろくじかんのん)一日を六つに区分する習慣から六時とは一日中のことを指す。常に守護する観音という意味。
合掌観音(がっしょうかんのん)無念無想に合掌する最高の境地を示す。心のめざめが速やかであれ、とまず仏が拝んで下さるという教え。
馬郎婦観音(めろうかんのん)仏様は通常性別がないが、女性とハッキリしている。人の心を開き教え諭すため妙麗な婦人となった観音様。
一如観音(いちにょかんのん)雷を制するように雲に乗る。空にかかわる災難から救ってくださる観音さま。一如とは一体ということ。
不二観音(ふにかんのん)仁王様に変身することがある観音様。不二とほ、慈愛の相の観音と、忿怒の相の仁王は同一という意味。
灑水観音(しゃすいかんのん)灑水とは香水をそそいで清めること。悪病が流行したとき観音様を祀り楊枝と浄水を供え
持蓮観音(じれんかんのん)清純な女性が蓮華を捧げながら、浄菩提心を説く。姿は心をあらわし、心は姿を求めることを象徴する。
*聖観音像(しょうかんのんぞう)
オン・アロリキャ・ソワカ
いろいろな形の観音様が作られるようになったために基本のものを聖観音像と呼ぶようになった。阿弥陀如来の脇侍の観音は聖観音である。左手に連華の蕾(つぼみ)を持ち右手でそれを咲かせようとする形が多い。悟りきれない人々の煩悩を開かせようとする仏心を示している。
観音菩薩はサンスクリット語では、「アヴァローキテーシュヴァラ」と称されます。その起源には古代イラン系の神、アナーヒター、アールマティーとの関連があるといわれています。 正式名称は観世音菩薩・観自在菩薩で、人々の声(音)を観じると直ちに自在に救済するという意味が込められています。 慈悲の仏尊であり、諸菩薩の中でもっとも広く信仰されています。
「法華経」の普門品(ふもんぼん)、第二十五が特に「観音経」と称され、観音菩薩が様々な姿に変化して衆生を救う「三十三応現身」が説かれます。密教ではこうした観音菩薩の場に応じた多彩な慈悲のはたらきを多面多臂(ためんたひ・多くの顔と腕)という形で強調した変化観音として登場させました。
変化観音には千手、十一面観音などがあります。
十二支占い3・寅年生まれ ノウボウ・アキャシャキャラバヤ・オンアリキャ・マリボリソワカ 守護仏は虚空蔵菩薩(真言=ノウボウ・アキャシャキャラバヤ・オンアリキャ・マリボリソワカ)で、属星は北斗七星のうちの禄存星(ろくぞんせい)。前生は青帝青龍王の御子で、今生では災難が多く、病身だが、支配力・指導力に富んでおり、財産や金銭に縁が深い。学問を好み、聡明である。守護仏を中心に、毘沙門天・大日如来・不動尊を信心すると開運する。
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