現在武術教室に通われている女性のE様より感想文が届きました。

小柄で上品な女性の型ですが、仕事でお忙しい中武術の練習に励んでいらっしゃいます。今回長年夢めた少林寺での武術留学が実現し感動されたそうです。

◇武術留学3日目◇

最終日は7人のメンバーが其々学びたいものをリクエストし、
6つの班に分かれて武術学校の学生たちの指導を受けた。
内容は少林棍、三節棍、刀、剣、拳、基本法。
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初心者の私は、
3日間連続で「八歩連環拳」と呼ばれる基本の型を学んだ。
先生は嵩山少林寺武僧団倍訓(=訓練)基地という名前の学校の
18歳と16歳の二人の学生が代わる代わる指導してくれた。
彼らは全寮制のこのマンモス学校で学ぶ18000人の生徒の中でも
傑出した出来の演武団のメンバーだ。
後輩たちを指導する監督役でもあるため、細かい部分を教えてくれる。

馬歩の時に「体の中心が少しずれています。わかりますか。」
弓歩の時に「後ろの膝をぴんと伸ばしてください。」
回し蹴りで、
「左手の平を蹴るのは、右足の側面でなく、足の裏です」。
手刀の小指の形、腕の伸ばし方、かがみ方。
これを毎日毎日繰り返すことで、
爆発的な力を効率よく出すことができる・・・といった指導を根気よく続けてくれた。
彼らはひとつひとつの動きを何年もかけて努力して完成してゆくのだろうな。

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他のメンバーも、少林寺の城下町さながらの、
登封市にずらりと並ぶ武具店で購入した棍や刀などを持参し、
汗だくになりながら教えを受けていた。

私たちが留学した時期は、中国でも夏休み(武術学校に夏休みはないが、
親が寄宿舎に入っている子供を訪ねてきたり、これから入学させようかと考えている親が、
学校を見学しに来たりする時期)だったため、学校にはひっきりなしに訪問者が来ていた。
演武をするエリートチームは普段は2組あるらしいが、
そのうちのひと組は海外に遠征に行っていたため、もう一方のチームのメンバーが、
私たち留学生の指導をしながら、校長先生が「今からお客さんのために演武をしろ」と
号令をかけると、すぐに演武本番に取り組まなければならない、という忙しい時期だった。
おかげで私たちは2回、彼らの日ごろの訓練の成果を見ることができた。

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寄宿生の為、3度の食事もみんなで食堂で取る。

心と体が一体となることにより強さが生まれる少林武術。
彼らが私たちのために割いてくれた貴重な3日の間、
教えてもらったことは生涯忘れないと思う。