先日、「」という雑誌(2015.2.10発行)が大変面白かったので、秦先生に差し上げた。そうしたら、先生が着目したことを話して下さり、ますます面白かった。
 その雑誌のなかで、あるお坊さんの記事が、私には大変面白かったのだが、秦先生は「このお坊さんは深い悟りまで達していない」と話された。
その理由は、「このお坊さんは、『禅とは、バランスをとることだ』と説明しているが、バランスが大事なのではない。バランスというのは、人によって個人差があるから。本当のとは、全てを人にあげて、あげられるものがもう何もなくなったときに、自分に残っているものが大事ということ。これは生命の本質、生命の真実、と表すこともできる。」と。
 また、そのお坊さんの顔写真を見て、「眉間にしわを寄せているこの表情は、強い意志の現れである。深い悟りまで達した人の表情は、あるがままで穏やかである。私自身(秦先生)も、かつてはそういう時期があったからわかる。」とも。
 さらに秦先生は、そのお坊さんの修行の経歴や、出家前の職歴にまで関心を寄せ、それら全体から、このお坊さんの悟りの深さを判断されたようだった。
 文言だけでなく、表情、経歴などから、悟りの深さがわかってしまうとは、大変驚いた。でも納得もした。人間の外面は、その内面の現れであるから、私もちゃんとしようと思った。