先日のアメリカ出張中に、アメリカ最大のカンフー雑誌のカンフーマガジン社から取材を受けました。内容は少林寺秘伝の三大動功「虎龍双型養生功」です。もちろん秘伝の型ですから、すべて公開は出来ません。とても興味を持って頂いていましたが、あくまでも一部分のみの公開をして、取材に応じました。
 これまで、この雑誌に登場する人たちは、とても有名な中国の武術(少林寺や太極拳など)の達人ばかりです。中にはジェットリーなどの映画スターもいます。特にアメリカ在住の人が優先であり、よほどの映画スターや少林寺でも武僧の最高師範でもなければ、表紙は飾れません。例えば(陳式などの)太極拳でも、世界一のような人だけです。
今回は、アメリカ出張の後半(集中講座)の最中の取材でしたが、この時、気功師師範の江口さんと高級気功師の豆澤さんも一緒に行きました。
 取材では、主に「虎龍双型養生功」に関して専門的な質問が多くありました。私は根本的源流や基本的な“気”や“武”について、いろいろ説明しました。とても興味深い話に、相手も驚いて関心を示しました。一緒にいた江口さんも豆澤さんもよく聞いて感心しながらも、理解を示しています。普段練習の時、私たちは動き(感覚)から入りますから、理論的なことを聞いても、すぐ理解できます。しかし、取材する側はその中身を知りません。また一般の読者も同様ですから、しっかりとした説明が必要となります。
 取材の後は、ポーズの写真を取りました。以前はテレビなどの取材で、よく好んでポーズをとって撮って頂きましたが、最近はあまり得意ではなくなっているように感じます。
また私たち三人は、「虎龍双型養生功」を区切りながら行いました。編集長も大変喜んでいました。江口さんの話では、雑誌の表紙を飾る可能性があります、と言っていました。私はそこまで思っていませんでした。というのも、今回は、たまたま私がサンフランシスコに来るということが相手に伝わり、実現したわけです。
 雑誌社の方たちは、少林武術(少林功夫)について熟知していますから、こちらの話もすぐ理解してくれます。そしてアメリカの読者に対して良い記事を載せたいと考えています。今回、私たちの技術に大変驚いて感動し、習いたいとまで言って頂いています。実に日本の皆さんにとっては、とても近いところに機会があるわけですから、こんなに良いと判断されるものを逃すのは、大変もったいない話です。アメリカで人気になり、受講者がたくさん集まって来ましたら、私も渡米して指導する機会が増え、逆に日本にはあまりいられなくなるなんてことも起こるかもしれません。
 私の希望は、あくまでも日本の方々に優先で指導していきたいと思っています。ただ(中国の言葉で言いますと)縁が
大事ですから、場合によっては教えにいくことになるでしょう。