【第六章 気功の消化器系統に対する効果】2003年09月08日(月)
第二節 気功の消化道各部分に対する効果(第一節は、都合により未掲載とさせていただきます。)
(一)気功の口腔内消化に対する効果(2)
 唾液の主な働きは、7つある。(1)口の中を潤しかつ洗浄し、食物中の癌の原因になる化合物を取り除いて、その毒性を低下させる。(2)食物に水分を与えて呑み込みやすくし、その中の粘液蛋白が腸道にうるおいを与えて便秘を防止する。(3)食物を溶かして、舌の上にある味蕾(みらい/味覚を感じる器官)に味覚を引き起こさせる。(4)唾液澱粉酵素が食物中の澱粉を分解して麦芽糖にする。(5)殺菌免疫作用。唾液中の溶菌酵素一種の非特異性免疫物質で、革蘭氏陽性菌、葡萄球菌や連鎖球菌を溶解させインフルエンザウイルスと腺病ウイルスの成長を抑制して、感染に対する抵抗力や炎症除去や止血などの機能を有している。(6)粘液蛋白は、胃粘膜の抗酸化能力を強化し、胃粘膜を保護する働きを持つ。(7)唾液腺ホルモンは、細胞の分裂を成長を促進し、核糖酸と蛋白質の合成を強化し、特に、目、歯、筋肉や関節など間葉組織の発育を促進して、身体の若さを維持し、器官の老衰を引き伸ばすのを助ける。しかしこのホルモンが欠乏した場合、骨組織および腎上腺皮質に栄養性機能障害をもたらす。唾液分泌の調節は完全に神経反射性のものであるが、これには非条件反射と条件反射の2種類が含まれる。
 気功訓練中の姿勢や呼吸および精神活動は、人間の大脳皮質、とりわけ延脳分泌中枢の機能に対して明らかに調節作用がある。加えて、大多数の気功にある予備功や正功、収功には、全て「叩歯(=歯と歯を叩く、舌で歯を叩く)」、「攪海(=口の中を動かす)、「咽津(=唾液をのみこむ)」、「舌頂上顎(=舌を上あごに突き上げる)」「採日精月華(=太陽と月のエッセンスをとり入れる)、「亀息(=無呼吸に近い呼吸?)」などの動きがある。こうした動作には、唾液腺周辺の血液循環を促進し、唾液分泌を増加させる働きがあるので、口腔内の消化に役立つのである