(二)肺活量と時間肺活量の変化
 力いっぱい吸いこみ、また力いっぱい吐き出した空気の量を、肺活量と呼んでいる。正常な成人男性の肺活量は約3500mlで、成人女性は約2500mlである。肺活量は、力いっぱい空気を吸いこんだ時の吸気量が関係している。その測定方法は簡単で再現性が高い
 時間肺活量とは、力いっぱい吸いこんで、一気にできるだけ速いスピードで吐き出すことによって、三秒間に体外に呼出された空気の量を、肺活量で割って%であらわしたものである。正常な成人が最初の一秒で吐き出した量は1秒率といって肺活量の83%を占め、二秒間で吐き出された量は肺活量の96%を、三秒間で吐き出された量は肺活量の約99%を占める。すなわち正常な成人は三秒の間に、基本的に吸いこんだ空気を吐き出すことができるのである。
 人は歳をとるにつれて身体の生理機能が次第に低下し、肺活量も減少していく。しかし、長期間にわたって気功訓練を行えば、一定のレベルで呼吸運動の状況を改善することが可能となる。ある人は、定年退職した老人のグループを観察・研究していたが、その結果、気功は心肺機能が衰える速度を落とすのに効果的であることがわかった。二つグループの人々の肺活量を見てみると,第一秒率(どういう意味?)時間肺活量および、最大通気量はどちらも顕著な統計学の差が存在した。
 (中国から見て)外国の学者が、「瑜伽功」の訓練者を観察した結果、上記と類似した結果を得た。M・K・Reddyは適宜に運動者のグループを二つ選び、一つのグループを15人として実験観察を行った。気功グループは「瑜伽功」を六週間訓練し、もう一方のグループは一般的な体操で訓練した。気功グループの六週間後の肺活量は、230.0±85.2ml高まったが、他方の非気功グループは93.3±113.8ml(P<0.001)しか増加しなかった。この実験によって、気功訓練は呼吸器の機能を改善することができると実証されたわけである。
  以上の事柄によって、一定期間の気功鍛錬を経ると、練習者の肺活量および時間肺活量は増加し、肺の機能が強化される事が明らかになった。