先日、白鵬の義理のお父さんと(元極真空手であり、元キックボクシング世界チャンピオンの)山崎さんのお二人とお食事をいたしました。皆さん忙しいですから、なかなかお会いできなかったのですが、ようやく久しぶりに会い、いろいろ情報を交換しあうことができました。
山崎さんとは、これまでに2~3回お会いしましたが、もう70才を過ぎても武道関連の記者として現役で活躍されています。ですから、様々な武道情報(空手や武道全般など)をよくご存知であります。私は自分のすべきことに集中しており、普段はあまり日本の武道界のことを意識していませんので、最近の武道について、よく分かりません。山崎さんがおっしゃるには、日本の武道(空手など)は試合も多く、実践的経験も豊富ですが、やはり(日本の武道や中国武術の型を理解しています)武道の型やその動きなどは、中国武術の中にあるものからきているということでした。
私は、空手が実践的且つ実用性があり、伝統的な流れがあると思っています。ただ、山崎さんは日本の武道(空手など)がスポーツ化していると言います。ですから、本当の武術は伝統のある中国武術(特に『少林寺の武術』は「武」だけでなく、「」や「」と「」の4つある)であると考えているようです。
しかし、武術には、とても素晴らしい技が多いのですが、(スポーツや競技のような規則がないという点で)反則的な技が含まれています。すなわち(「少林寺の武術」が反則技の多いという意味では)それだけ伝統的なものであると言えるのです。
武道のあり方として、現代は試合をするためにルールが作られ、だんだんスポーツ化していきます。時代の流れの中で、一つの武術(武道)が元のスタイルから変化していくのです。
私は少林寺のことを理解していますが、日本に来て多くの武道(空手など)の各大会を観てきました。それぞれに特徴があり、他流派と比べるということはせずに観ています。ただ私は、自分の教えているものが、武術や武道の源流であり、長い歴史を持つ伝統的なものであるということを、常に意識し、責任を持って指導にあたっています。
表面的な武術の型だけにこだわるのではなく、内面のより深いものを感じられるように、正しく師範していく必要があります。
今月末には、嵩山少林寺において「少林寺世界大会」が開催されますが、当協会は中心的な役割を担っています。
どうぞ指導員として活躍している皆さんの一人ひとりが、指導するにあたっては、こうしたことを理解した上で、自信を持って師範してください。