この7月末に開催する「世界少林寺大会(総合武術技能試合)」は、これまでの歴史の中で、中国でも数少なく、また世界でもあまり例のない大会であります。たとえば日本には、忍者(術)がありますが、武器である手裏剣の全国的な大会、または世界大会というのは、聞いたことがありません。少林寺の大会では、様々な武器(手裏剣同様の武器もあります)の試合があります。また「鉄砂掌」で瓦や氷などをどれくらい割れるかというのもあります。さらに「一指禅」というのがあります。これは左右指一本で体を支えるのですが、このような少林寺特有の試合もあります。
こうした様々な試合が予定されており、多くの人が集まります。鉄砂掌の部門だけで40名を超える人数がエントリーしています。当協会からも日本代表として、2名出場致します。女性のIさんは寸勁で参加出場致します。(若者がたくさん集まりますが、Iさんにとっても挑戦になります。)
中国内の鉄砂掌のレベルが高く、何枚もの瓦を割る映像もみます。
協会の会員Iさんは努力家であり、普段から教室で内功を習っていますから、良い結果になると思います。以前、世界少林寺気功武術健康大会で「二指禅」を披露したGさんは、今回は仕事の都合で、残念ながら参加することができませんでした。

今回の大会は、参加者も来場者も多く、大規模な大会になりますが、嵩山少林寺の釋管長の使命で行う一大行事となります。昨年の少林寺認定旅行の際、同行したメンバーの演武等技の披露を管長にいたしましたが、とても良い評価を頂き、今回も大いに期待しております。
世界各国の少林寺の文化センター等からは、ほとんどこの大会に参加するといった話は聞いておりません。そんな中、当協会が唯一の参加となりました。日本でも少林拳を行っている団体はありますが、参加致しません。なお、武術の型を行う団体は、数多くありますが、内面を鍛え、本当の強さを表すことが大事であります。私が指導する「少林寺秘伝七十二芸」の大半は試合用ではありません。指導員養成コースで実践している技は、試合のためではなく、あくまでも自分自身のためのものです。
もちろん「型」も重要であります。人間の肉体は「型」によって、能力を表すものだからです。しかし私たちの練習している「型」は、もっと深いところのエネルギーのパワーによって身体能力を高め、呼吸やイメージにより、さらに向上させます。自分を高める意識が大事であり、レベルを上げることがとても重要です。今大会では、当協会がこの重要性を発揮させてきます。
大会参加する者の全員が、気が強いとは限りません。たとえば手掌の場合でも苦労して時間をかけて、手が変形してしまう位行っています。あまりやり過ぎても年令とともにリスクも増し、辛いでしょう。また手が腫れてしまえば、生活に支障が出てくるでしょう。しかしそれでも強くなるために、辛くても生活に影響が出ても実践する人(中国では多い)がいます。

私が日本に来て、指導員を育てている技は、体にダメージを与えるようなことは一切なく、自然のままで鍛えられます。そして人生のいろいろな方面で、役に立つのです。今回の大会で私たち協会が表すものは、日頃練習している「少林寺気功」の成果であり、証明でもあります。
ですから、身に付ければ、とても社会に役立つものになるのです。